女性アイドルグループ/ソロ(1980年代~1990年代)

アイドル・ミラクルバイブルシリーズ Qlair Archives|Qlair 

2005/11/30 Sony Music Direct

ディスク: 1
1. 瞳いっぱいの夏
2. 恋のメダリスト
3. 真夜中のオルゴール
4. 笑顔の花束
5. 見えない涙
6. お願い神さま
7. 約束
8. 冒険の Sunny day
9. 素直な疑問符
10. 雨の帰り道
11. さよならのチャイム
12. ハッピーバースデーカウントダウン

ディスク: 2
1. SPRING LOVER 大作戦
2. 眩しくて
3. お引越し
4. 君住む街
5. CITRON
6. タヒチアン ラブ
7. 泣かないでエンジェル
8. 思い出のアルバム
9. パジャマでドライブ
10. 一緒に見た風
11. IN YOUR EYES
12. 秋の貝殻
13. 新しいシャツ

ディスク: 3
1. Sanctuary
2. リボンのないプレゼント
3. うたたねのソファー
4. スノーブーツのwish
5. 夢見るヴァイオリン
6. 暖かな森
7. Sanctuary ~The light of three stars~
8. HAPPY BIRTHDAY
9. 恋のメダリスト (1993Version)
10. SUMMER LOVER 大作戦
11. /瞳いっぱいの夏
12. 永遠の少年 <2005 Miracle Recording>

CoCoやribbonを輩出した乙女塾から1991年にデビューした3人組のアイドルグループ「Qlair」の全楽曲と未発表音源等を収録した編集盤である。山口美央子や外間隆史など才能ある作家陣による良質な楽曲とメンバー3人の美しいハーモニーはキラキラして清涼感に溢れており、1990年代のアイドルの中でも屈指のグループだ。

デビュー曲であるディスク1の①は夏の訪れ感じる爽やかな青春ポップで、胸をキュンとさせる名曲である。王道アイドルポップの佳曲⑥と並びQlairの魅力がいっぱいに詰まっており必聴だ。
そしてその魅力は山口美央子が手掛けた三部作と呼ばれるディスク1の⑪、ディスク2の②、⑫でアイドルポップとしての頂点を迎えている。曲はもちろん3人の清潔感ある美しいハーモニーが素晴らしい。
⑪は卒業がテーマの切ない青春ソングで、ノスタルジーの洪水が押し寄せてくる。正統派アイドルソングとしていつまで心に残るものだ。
②は夏の情景と淡い片思いが甘酸っぱさを運んでくれる清涼感ある曲で、究極のアイドルポップというか、アイドルだからこそ表現できるものがいっぱいにつまっており素晴らしい。⑫は大人っぽさがあり、歌謡曲としてもとても良い曲である。すべて傑作だが、特に②はアイドルポップ史上に残る大名曲である。
他にもいい感じのドキドキ感に胸躍るディスク1の⑦、ガールズバンドみたいなご機嫌なロックンロールナンバーのディスク2の①、チャーミングな魅力溢れるディスク2の③、遊佐未森にも繋がるようなノスタルジックなディスク2の⑧など、その音楽的な完成度は圧巻の一言。ディスク3は②や⑤などはQlairが到達した奥深いポップネスがじっくりと堪能できる。

ブレイクすることはできなかったが、アイドルポップとしては最高クラスの内容である。瞬間のきらめきを捉えた音源の数々は、これからも多くの人の耳を捉えることだろう。いつまでも色褪せないものがあるとしたらそれはQlairが残してくれた作品の中にあるのかもしれない。

ボーイ・フレンド|森下恵理 

2003/12/25 ヴィヴィッド

1. 中古のムスタング
2. ダンスはクラスメイトと
3. 真冬のデイト
4. Kiss Me Tonight
5. ブルージン・ボーイ!
6. わたしは街のバレリーナ
7. ちょっぴり・ボーイフレンド
8. Hey!Baby
9. トワイライト
10. 恋の祈り
11. 秘密のダイアリー (ボーナス・トラック)
12. ふられて・フーフー (ボーナス・トラック)
13. 九月のERI (ボーナス・トラック)
14. サマータイム・グラフィティ (ボーナス・トラック)

森下恵理は1985年にシングル「ブルージン・ボーイ」でデビューしたアイドルで、本作は1986年にリリースされた1stアルバムにボーナストラックを加えて再発したものである。

加藤和彦プロデュースで、彼の他に竹内まりや、呉田軽穂(松任谷由実)などが楽曲提供行い、アレンジには鈴木博文(ムーンライダーズ)も参加している80年代アイドルポップの名盤だ.

彼女のキュートで人懐っこいボーカルとオールディーズからの影響が強いサウンドに胸躍るポップロック。冒頭を飾る①は爽快なモータウンビートに可愛らしい歌声が乗り、初々しいわくわく感が楽しい曲。続く②はサックスが鳴り響く、胸キュン青春ポップナンバーで、メロディー、歌詞共にフックがありとても良い。③は竹内まりや提供のしっとりとしたオールディーズバラード。
デビューシングルの⑤も基本オールディーズ歌謡だが、ロックっぽい歌い回しが魅力で、加藤和彦によるメロディーは爽やかで、安井かずみの歌詞も面白い。⑧は竹内まりや提供作品で、日本産アイドル系パワーポップという感じの一曲。⑨はユーミンの作曲で、後に自身のアルバムでもセルフカバーしている。ミドルテンポで青春の儚さや刹那感を感じる名曲である。ボーナストラックではシングル⑭などの佳曲を収録している。

楽曲はどれも粒ぞろいで、森下恵理の声そのものに魅力がある素晴らしい1枚。

クレッシェンド・アンド・シングルズ|奥田圭子 

2008/3/19 ヴィヴィド・サウンド

1. プラスティック
2. 真赤なシューズを飛ばす時
3. 地下鉄におけるスタンリーキューブリック的考察
4. STORMY NIGHT
5. 夢ください-知・的・優・遊-
6. ため息の予感
7. なんて・・・・
8. 悲しみアベニュー
9. Bay Sideロマンス
10. 想い出の傘の下で
11. 夢ください-知・的・優・遊-(Single Version)
12. 明日からのフォトグラフ
13. 瞳の中に
14. グラデイション
15. 家族
16. 演歌は歌えない

1985年にシングル「夢ください―知・的・優・遊―」でデビューしたアイドル歌手・女優の奥田圭子。本作は唯一のアルバム『cresc.』にシングル曲を追加した編集盤である。

アンニュイな雰囲気の物憂げな奥田圭子のボーカル(声質は可愛い)と豪華作家陣によるニューウェーブ色の強い楽曲が組み合わさり、1980年代の王道アイドルポップとは一味違う持ち味がある。

その独自性は玉置浩二作曲のデビュー曲⑤⑪ですでに感じられ、幻想的なサウンド&メロディーと豊かな表情を見せる歌声が儚く印象的だ。
そして本作で注目すべきはシングルとしてもリリースされた名曲①である。秋元康×氷室京介×布袋寅泰というこの時代だからこそ実現した作家陣による、アンニュイなニューウェーブ歌謡の傑作で、奥田圭子のどこか冷めた歌声は聴き心地が良く、布袋寅泰によるギターもカッコいい。アルバム曲としては秋元康作詞のインパクトあるタイトルのエレポップの③や王道アイドルポップ⑥など全体的に楽曲は充実している。

そう数は多くないアンニュイ性を持ったアイドル歌手のひとりだが、楽曲の出来は良いので、聴いて損はないはずだ。

yes we’re SINGLES+8|早瀬優香子 

2020/5/27 ワーナーミュージック・ジャパン

1. サルトルで眠れない
2. ピンクのCHAPEAU
3. 硝子のレプリカント
4. セシルはセシル
5. 私は女
6. マリー・ラフォレはもう聞かせないで
7. 2/3 amino co de ji
8. シニアな記憶
9. 椿姫の夏
10. 太陽とクレッセント
11. マリリン&ジョンの微笑 <シングル・ヴァージョン> (Bonus Tracks)
12. 冷たい水 (Bonus Tracks)
13. IL (ベッドの中では) (Bonus Tracks)
14. 家へ帰るの (Bonus Tracks)
15. Lobbyの生活 (Bonus Tracks)
16. 光合成 cock-a-doodle-doo (Bonus Tracks)
17. 薔薇のしっぽ (Bonus Tracks)
18. 5才の子供 (Bonus Tracks)

カヒミ・カリィが影響を受けたことでも知られる1980年代アイドル歌手/女優「早瀬優香子」。本作はシングル1枚目から5枚目までのAB面曲をすべて収録したベストアルバム『yes we’re SINGLES』にその後のシングルすべてを追加収録した新規編集盤である。

秋元康作詞曲も多くあり、フレンチポップ、ネオアコ、ワールド・ミュージックなどを消化した意欲的な楽曲は興味深いが、彼女最大の魅力は独自のアンニュイな雰囲気と、最高にキュートで舌足らずなロリータウィスパーボイスにある。1980年代にこの声で歌っていたことは、それだけで他のアイドルとは一線を画している。

ポカリスエットCMに使われた井上大輔が作曲した③は、その歌声の突出した魅力が詰まった名曲である。さすがに今聴くと1980年代のエレポップサウンドは古さがあるが、彼女の透明感あるボーカルが伝える幻想的ともいえる美しさや儚さ、刹那感といった情感は特筆すべきものがある。
秋元康作詞、MAYUMI作曲の④はキャッチーなメロディーと秋元康のユニークな歌詞が可愛らしい歌声にばっちりとハマった傑作。フレンチ風の⑦は早瀬優香子の舌足らずの声がとにかくキュートで心がほっこりする。フレンチポップ、ネオアコ風の矢野顕子作曲の⑥は心安らぐ脱力系のオシャレな楽曲で、王道アイドルポップとは違う独自の個性に驚かされる。
細野晴臣作曲の⑨はテクノ歌謡の名曲で、1980年代後半のアイドルポップの中でも屈指の出来といえる楽曲である。他にもエスニックな旋律にぞくぞくする⑬や癒されるアコースティックバラード⑭などその歌声の魅力を最大限に生かす楽曲群は、色あせてはいない輝きがあり素晴らしい。

フルーレ+4 コンプリート・コレクション|島崎路子 

2020/7/8 SOLID

1. クロッカス・ヒルで逢いましょう
2. ガールフレンド
3. 悲しみよりもそばにいる
4. 世界でいちばんちいさな海
5. 愛をひとりにしないで (Winter Version)
6. さざ波のアラベスク
7. いつも心に花束を
8. グッドラック・チャーム
9. いつか見たそよ風
10. 粉雪感傷
11. 十二月の窓辺 ~Silent My Love~
12. ラベンダーの予言
13. “Voice letter” from ROKO with love
14. 愛をひとりにしないで (シングル・バージョン)
15. 青い鳥がいる風景

本作は1988年にデビューしたアイドル「島崎路子」が同年に残した唯一のアルバムにボーナストラックを加えて再発したものである。

アイドルとしてはブレイクすることはなかったが、このアルバムはその充実した内容からアイドルポップの名盤として聴き継がれている。清水信之、米光亮、杉山卓夫、武部聡志などが手掛けるサウンドアレンジが素晴らしくて、煌びやかで切ないファンタジックな楽曲と島崎路子の透明感ある真っ直ぐな歌声が、心を癒しくれる1枚。トータルプロデュースが上手くできており、アルバム全体で小説のような物語性がある。

冒頭①はシンセのイントロからの眩しく疾走するドリーミーなナンバー。夢見がちな少女のような歌声も世界観を盛り上げる。デビュー曲である③は壮大な愛を感じさせ、アイドル好きがアイドルに求めるものを体現したような曲で面白い。
⑦はパワフルなシンセのイントロがインパクト大で、サビの美しいメロディーも良い。⑧は小気味いいキュートなナンバーで、ギターポップ風味があるのもポイントのひとつ。⑪は幻想的でシンフォニックなクリスマスソング。

サウンドの完成度は圧巻で、じんわりと沁みる良いメロディーの楽曲多く収録されている。アルバムトータルで島崎路子のアイドルとしてキャラクター性を上手く表現しており、コンセプトアルバムとしても優れている。

「ガラスの国境」+「MAKIN’ IT(+5)」|矢野有美 

2019/6/4 Bridge

「ガラスの国境」
1. 夏への手紙
2. MARINE BLUE
3. 恋のクスリはバンシャガラン
4. STAY NEXT TO ME
5. マーマレード飛行
6. 幻の輪舞
7. 真珠海岸
8. ガラスの国境
9. FADE OUT
10. ちぎれ雲にウィング

「MAKIN’ IT(+5)」
1. MAKIN’ IT
2. EAT YOU UP
3. CUPID GIRL
4. FOLLOW ME
5. CUPID GIRL(ROLLER COASTER VERSION)(ボーナストラック)
6. 経験・美少女 (ボーナストラック)
7. 新しい淋しさ (ボーナストラック)
8. キュートにeyeして! (ボーナストラック)
9. ハートのアドレス (ボーナストラック)

本作はアイドルグループ「シャワー」の元メンバー「矢野有美」が1985年にリリースした唯一のアルバム『ガラスの国境』に洋楽カバーアルバム『MAKIN’ IT』とシングル4曲、リアレンジ1曲を加えたコンプリートアルバムである。名作と名高い『ガラスの国境』は長らくCD化されていなかったが、このアルバムで初CD化となった。プロデュースはムーンライダースの岡田徹。初期シングルでは歌謡曲色が強い1980年代王道アイドル路線であったが、ムーンライダース岡田徹プロデュースした『ガラスの国境』ではシティポップのような洗練されたポップに路線変更している。

『ガラスの国境』の冒頭を飾る①はPSY・Sの松浦雅也が作曲したアイドルポップの大名曲。岡田徹が編曲した生々しい打ち込みサウンド&リズムがダイレクトに響き、儚く美しいメロディーラインも絶品である。②はドラマチックで演劇的な構成のロマンティックなナンバー。
③は綿密な音作りに驚かされるテクノポップで、複雑な曲構成なのにしっかりとキャッチーなのはさすが。⑤はアンニュイな雰囲気のサウンドと歌唱が良くて、ベースラインが印象に残る。タイトル曲⑧は非常に上品で美しいボーカル&メロディーとサックスを使用したオシャレなテクノポップサウンドが心地良い。⑨は王道感あるパワフルでストレートな歌謡曲的ナンバー。

『MAKIN’ IT(+5)』では洋楽カバーの他に、貴重なファースト、セカンドシングル収録の⑥~⑨が聴くことができる。初期の濃い歌謡曲路線が楽しめるが、やはりここからの劇的なイメージチェンジは素晴らしいものがあり、『ガラスの国境』はアイドル史上に残る傑作アルバムと言えるだろう。

チロリン・アンソロジー1986-1987|チロリン

2014/12/10 Solid Records

1. こんなじゃダメ神様
2. (チロリンの)星に願いを
3. MIRAとお散歩
4. こんなじゃダメ神様…Reprise
5. 今日から私はあなたの羊
6. チョコレイト戦争
7. 空を見ている少年少女
8. 走る人
9. 途中にしてね
10. えくぼッチャブル

雑誌アンアンの表紙モデルなどで活躍した島崎夏美を中心に結成されたガールズユニット「チロリン」の1986~1987年に発表した全音源を収録したコンプリートコレクション。
テクノポップやネオアコ/ギターポップを基調としたニューウェイヴ系の楽曲とチロリンメンバーのキュートな歌声に心が癒される1枚。
ムーンライダーズの岡田徹がプロデュースしており、音質や空気感は同時期に手掛けているNav Katzeの作品群に通じるものがあり。

冒頭①は鈴木慶一が提供した楽曲で、ワールドミュージック色が強い異色のダンスポップナンバー。岡田徹が作曲した②は映画『ノーライフキング』の主題歌だったノスタルジックな3拍子のワルツで記憶に残る名曲である。同じく岡田徹作曲の⑥はネオアコからの影響を感じさせるギターの音色が印象的なナンバーで、いとうせいこうによるユニークな歌詞も面白い。⑨はのどかな情景が浮かぶキュートな曲で意味深な歌詞が良い。⑩はメンバーの可愛らしいボーカル&コーラスが魅力の行進するようなイメージが伝わるポップナンバー。

アイドル的な立ち位置のガールズグループであったと思われるが、サブカル色が強い音楽性で、1980年代の王道アイドルポップとは一線を画しており、独自のクセがある中毒性が高いガールズポップを楽しみことができる。

ハロー+3|伊藤智恵理

2009/11/9 ソニーミュージック

1. Winter Wonderland
2. トキメキがいたくて  LPバージョン
4. ルージュ
5. 雨に消えたあいつ
6. Merry Christmas
7. 辞書の最後のページ
8. 大切な気持ち
9. 魔法をかけて
10. パラダイス・ウォーカー LPバージョン
[ボーナストラック]
11. Diner
12. ルージュ(Another Version)
13. Step Your Life

本作は1987年デビューしたアイドル「伊藤智恵理」の1stフルアルバムにボーナストラックを加えて再発したものである。1980年代アイドルの中でも歌唱力の高さや可愛くも凛としたヴィジュアルが魅力のアイドルであった。
音楽性は楽曲の提供も行っていた中原めいこにも通じる洗練された都会的なポップミュージックで、歌謡曲からJ-POPへと移行していく時代の良質なアイドルポップが楽しめる1枚。

まず注目は1980年代アイドルポップの名曲を多数手掛けている岸正之作曲の①②⑤⑥である。①は1980年代王道のデジタルサウンドが爽快なキャッチーな楽曲。②は切なさ爆発のメロウな曲で、表情豊かに歌い上げる伊藤智恵理の歌唱力に驚かされる。⑤はある意味ベタなサビのメロディーや歌詞など、これぞアイドル楽曲と言いたくなるドラマチックな名曲である。⑥はご機嫌なクリスマスソングで、①と並んでゲレンデで流れていそうな冬のポップチューンだ。他にも重厚なシンセサウンドと力強いリズムの⑨や爽快感抜群の胸躍る⑩など、伊藤智恵理の歌唱力を生かせる良い楽曲が多く収録されている。

伊藤智恵理のボーカルや楽曲の完成度は文句なしで、1980年代後半のアイドルポップの中でも名盤のひとつに数えられるだろう。

アイドル・ミラクルバイブルシリーズ|宍戸留美

2005/11/30  Sony Music Direct

1. コズミック・ランデブー
2. Rainbow Days
3. ナクヨアイドル平成2年
4. 恋のロケットパンチ
5. Panic in my room
6. コンビニ天国
7. 地球の危機
8. 全人類が愛しい夜
9. おとこのこ
10. Here Comes the るみちゃん
11. 男のコが泣いちゃうなんて(La Da Dee)
12. ダンスの神様
13. 恋はマケテラレネーション
14. なかよしお泊り倶楽部
15. るみちゃんの危機
16. 秘密よDIET
17. ママ、悩んでるよ
18. プンスカ
19. 二人は映画みたいに行かないね

1990年にデビューしたアイドル「宍戸留美」。本作はソニー時代のベスト盤でシングル盤のみリリースの代表曲の数々が聴けるので、彼女の魅力を知るにはうってつけの1枚である。デビューシングルは正統派アイドルソングであったが、その後は次々に個性的な楽曲を発表し、元祖サブカルアイドルと言えそうなマニアックな人気を獲得した。

デビューシングル①は楽曲の雰囲気はストレートな王道アイドルポップであるが、ドラマチックな曲展開が素晴らしく、サビのメロディーが絶品。メロディーラインが伝える儚さやロマンティックな情感がいつまでも記憶に残る名曲である。⑤は宍戸留美の奇天烈な魅力が全開のエキセントリックな曲で、何かに取り憑かれたように言葉を吐き出すボーカルは必聴。⑥はチャーミングな歌声とシンセサウンドが光るキュートなテクノ歌謡。⑦は頭のネジが飛んだような世界観に圧倒される元祖電波ソングと呼べるような怪曲。⑨はみんなのうたのような雰囲気とリズムがクセになる。⑬は元気いっぱいに歌い上げる可愛らしいボーカルが印象的でキャッチーな曲構成も光る。⑱は宍戸留美のキャラクターとボーカルがばっちりとハマった、女の子がプンスカしている感情を上手く表現している可愛くも切ない曲。

バラエティに富んだ楽曲は聴いていて楽しさがあり、宍戸留美のアイドルとして様々な表情を見せるボーカルには元気を貰える。また偶像という感じの遠い距離間ではなく親しみやすいキャラクター性が魅力なので多くの人が楽しめる内容である。

Shaking Memory+6 オール・ソングス・コレクション|かとうゆかり

2009/11/10  SONY MUSIC DIRECT

1. ダイナマイトに火をつけて
2. 夕闇 You & Me
3. ルート・涙・セブンティーン
4. 失恋エキスプレス
5. Knock Out Boogie
6. 恋するカレンダーガール
7. September Rainbow
8. 今夜どっきりTAKE OUT
9. アバンチュールに御用心
10. シュガーぬきのSaturday Night
11. 放課後ロック(Back To School Again)
12. 熱風半球
13. やめないでDancing
14. ダイナマイト・チャンス
15. Stay
16. Gotcha!

1980年代に大映ドラマ【不良少女とよばれて】や【ポニーテールはふり向かない】に出演したことでも知られるアイドル歌手「かとうゆかり」。
本作は1982年にリリースしたアルバム『Shaking Memory』にボーナストラック6曲を追加収録した全曲集である。亀井登志夫、渡辺敬之、加藤和彦、大谷 和夫、鷺巣詩郎などの豪華作家陣が作り出すオールディーズ色が強いポップナンバーを愛嬌ある声でパワフルに歌い上げており、懐かしさを感じる爽やかな女性ボーカルポップスがふんだんに詰まった1枚。

①~⑩がアルバム『Shaking Memory』。
①は1960年代オールディーズ風味のウキウキするビートとチャーミングな歌声でノリノリな気分になれる。かとうゆかりの歌声は10代のキラキラ感や危うさが伝わるもので、レトロな感覚も楽しいこれぞ青春ガールポップという感じだ。②はセンチメンタルな胸キュンラブバラード。ストレートに好きという感情を表現しているスウィートな1曲だ。⑤はダンスフロアにぴったりな陽気なポップチューンで、ダンサブルなサウンドとスタイリッシュなカッコ良さを放つボーカルが印象的。
⑨はキュートなはっちゃけた歌声とキャッチ―なビートに胸躍る。デビューシングル⑩は極上のオールディーズ歌謡で、まるで歌劇のようなパンチのある歌い回しがインパクト大。

⑪~⑯はシングル曲などのボーナストラックとなっている。夏のアイドル歌謡の傑作⑫、①の歌詞違いヴァージョン⑭、ドラマの挿入歌となったご機嫌なロックンロール⑮などが収録されている。特に⑮は本人のキャラクターにもあっている感じで、今聴いても新鮮な魅力がある。

歌唱力は抜群で楽曲も良いが、コンセプトなどマニアックな魅力を追求している部分があり、そこがブレイクしなかった原因と思われる。女性歌手としての個性もあり、若さと勢いが存分に味わえる内容である。

少女隊 Complete Singles Forever 1984-1999|少女隊

2016/8/24  ‎ ユニバーサル ミュージック

ディスク1

1. Forever -ギンガム・チェックStory-
2. ピンクのタオル
3. お元気ですか?マイフレンド
4. MAGOKORO ダイナマイト
5. 素直になってダーリン -Darlin’ with my love-
6. ホールドアップ!
7. 渚のダンスパーティー
8. 恋人気分のホリデイ
9. Bye-Bye ガール
10. 流星クラクション
11. ハレーロマンス
12. Smile Again -微笑の中へ-
13. もっとチャールストン
14. Misty Morning Stranger
15. バランスシート
16. RUBBER SOLE

ディスク2

1. 君の瞳に恋してる
2. ENDLESS DREAMIN’
3. ナポレオンのくしゃみ
4. 月のうさぎが泣いた
5. SAKASAMA
6. KISS THE PARADICE
7. チェリームーンで踊らせて
8. 星のオルゴール
9.Korea (Japanese Version)
10. Korea (English Extended Version)
11. ANNIVERSARY
12. BE A POP!!
13. Forever
14. Future
15. Forever (Disco Version)
16. ELECTRIC CITY (Disco Version)
17. KU・RO・O・BI MAGIC (Disco Version)

ディスク3

1. FOREVER 2001
2. Flamingo Island
3. Space Magic
4. FROM SANTA CLAUS VILLAGE
5. CAN’T TAKE MY EYES OFF YOU
6. Korea (12inch Single Version)
7. Korea (Remix Maxi Version)
8. Korea (Vocal+Rhythm)
9. Darlin’ with my love
10. Forever (カラオケ)
11. お元気ですか?マイフレンド (カラオケ)
12. 素直になってダーリン (カラオケ)
13. 渚のダンスパーティー (カラオケ)
14. Bye-Bye ガール (カラオケ)
15. ハレーロマンス (カラオケ)

1984年にデビューした3人組のアイドルグループ「少女隊」の3枚組ベストコレクションアルバム。複数のレコード会社をまたぐ活動期間すべてのシングルや初CD化音源を収録した決定版と言えるベスト盤である。
少女隊はソロアイドルの黄金時代であった1980年代に本格的なアイドルグループを作るプロジェクトとして始動し、プロモーションに多額の資金をかけたことでも有名であった。総合プロデュースにピンクレディーを手掛けた都倉俊一を迎えて、ワールドワイドなアイドルを目指した初期から、秋元康と組んだ王道アイドルポップ路線の中期、ユーロビート系のダンスポップの後期まで、音楽性はバラエティに富んでおり、今聴いてもその輝きは色褪せてはいない。メンバーレイコ(安原麗子)のウィスパーボイスも楽曲の良さを引き出す大きな魅力となっている。

ディスク1は代表曲がたっぷりと収録されており、完成度の高いアイドルポップが楽しめる。
①は都倉俊一が作曲した少女隊のデビュー曲にしてアイドル史上に残る名曲。夢に向かって一歩踏み出す決意に満ちた力強い曲で、少女隊の始動と見事に物語がリンクしている。アメリカ西海岸のLAで制作されており、飛び上がるような躍動感溢れるサビを最大限に生かす全体の曲構成が素晴らしい。本作にはこの曲の他のヴァージョンもすべて収録されているので違いを楽しむことができるだろう。
②はしっとりした切ないバラードで、センチメンタルな可愛らしさが印象に残る。
④と⑦は女隊の元気な魅力が全開のサマーチューン。オールディーズ歌謡という感じの曲調は少女隊のイメージにもぴったりだ。⑨は爽快なモータウンビートのキュートなナンバー。メロディー、歌詞ともにフックがあり記憶に残る。⑪は1986年に76年ぶりに地球に接近したハレー彗星がテーマの曲で、瞬間の煌めきを切り取るアイドルにぴったりな曲となっている。
⑬はタイトル通りチャールストンダンスを踊るために作られたダンスポップ。ジャジーな雰囲気も良い。⑮は待望の初CD化となったテクノ歌謡の必殺曲。懐かしさを感じる曲調は当時の空気を感じられるもの。

ディスク2では見逃しがちな後期少女隊の完成度の高い曲が楽しめる。
①はFrankie Valliが1967年に発表し、1980年代にはBoys Town Gangがカバーしてリバイバルヒットした有名曲のカバー。アイドルポップ解釈の可愛らしい出来となっており、日本語詩も新鮮で良い。後に有名DJがクラブでよくかけたことでも知られている。
③は秋元康&後藤次利による爽やかなドライブ感とキュートボイスという正統派アイドルポップ。胸キュン必至のキラキラ感が堪らない1曲となっている。⑤は中原めいこが作曲しており、彼女らしい都会的なメロディーが印象的である。⑨⑩はソウルオリンピックのテーマ曲で有名なLeslie Mandoki & Eva Sunの曲をカバーしたもの。韓国の放送で戦後初めて日本語の曲が歌われたのが本曲であった。⑪は大人びな雰囲気が少女隊の成長を感じさせるクールなポップス。

ディスク3は12インチシングルやカラオケなどのレアトラックが収録されている。
佐藤準が手掛けた②のアイドルとは思えない本格的なダンストラックや外国人のコーラスが印象的なエレクトロポップは今聴いても刺激的である。⑤は『君の瞳に恋してる』のディスク2の①とは別アレンジ&英詩のカバーで、こちらも良い出来である。

1980年代最高のアイドルグループと言ってもいい少女隊の良いとこ取りの内容で文句なし。完成度高い楽曲、巧みなボーカルワークなどハイクオリティなアイドルポップがふんだんに楽しめるベスト盤としては究極1枚である。

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